間欠泉噴出に先行する特異な地下水の動きを発見

間欠泉噴出と水蒸気噴火の類似性を示唆

        霧島硫黄山西火口の地電位観測(2021年4月撮影)                       

霧島・硫黄山西火口で2021年4月に間欠的熱水噴出 (間欠泉) 現象(周期14-70時間) が突如生じました。この現象は同年7月上旬まで生じ、その噴出周期・様式にも劇的な変化が認められました。

九州大学地震火山観測研究センターの田辺暖柊さん (修士課程2年)、松島健 教授、相澤広記 准教授、東京大学地震研究所の村松弾 特任研究員らの研究グループは、噴出口近傍で多項目観測(映像・温度・地電位・地震・空振・傾斜)を展開し、間欠泉噴出前に生じる噴気孔に向かう大きな冷たい地下水の動きが、間欠泉サイクルに関係していることを明らかにしました。

この地下水の動きは主に地電位変動から推定することができます。これと類似した地電位変動は水蒸気噴火の数分前にも確認されており、間欠泉噴出と水蒸気噴火ではその直前に類似した地下水の動きが生じている可能性があります。

本研究成果は、国際学術雑誌「Earth Planets and Space」に 2023 年 5 月 11 日 (木) に掲載されました。

論文情報

掲載誌 : Earth Planets and Space

タイトル : Multi-parametric observations of intermittent hydrothermal water discharge in West Crater of Iwo-Yama volcano, Kirishima Volcanic Complex, Japan

著者名 : Tanabe Harutou, Matsushima Takeshi, Aizawa Koki, Muramatsu Dan

DOI : 10.1186/s40623-023-01830-7