噴火直前の火映の明るさ変動から探る火山爆発のメカニズム

修士課程・博士課程の5年間センターに在籍され,2022年3月に博士号を取得して現在東京大学地震研究所に在籍されている村松弾さん他の論文が出版されました.桜島火山におけるブルカノ式噴火(突発的な爆発から始まるタイプの噴火)のメカニズムに関する博士論文を投稿論文としてまとめたもので,噴火前に見られる火映(Volcanic glow)という現象に着目し,その時間変化から爆発に至るまでの過程を考察した内容です.火映の時間変化とモデルに基づき,ブルカノ式噴火の数秒~数分前に始まる火山ガスの漏れが噴火開始に重要であること,また噴火直前(約1秒前)に火口の底に亀裂が生じて爆発に至るイベントがあることなどを議論しています。

Muramatsu D., Aizawa K., Yokoo A., Tameguri T., and Iguchi M. (2023) Vulcanian eruption processes inferred from volcanic glow analysis at Sakurajima volcano, Japan. Bulletin of Volcanology. 85, 41, doi: 10.1007/s00445-023-01656-x.