九州の地震活動と地下構造

地殻内の地震活動は別府から雲仙に至る別府ー島原地溝帯に沿って活発です。その震源メカニズムはおよそ南ー北方向伸張する軸をもち、この地域で起こる地震が南北に引っ張られて生じていることを示しています。また別府ー島原地溝帯の西端にある雲仙地溝は年間約1.4㎝ずづ南北に伸びていることが地殻変動データから分かっています。
 九州東方の日向灘から九州内陸の深部にかけては、フィリピン海プレートの沈み込みに伴う地震が見られます。フィリピン海プレートは、九重、阿蘇、霧島、桜島などの火山列下では100−150㎞の深さに達しています。

九州の地下構造は、深さ20kmでは活火山に沿って地震波速度の低速度域が見られ、深さ50kmでは沈み込むフィリピン海プレートに対応した高速度域が九州東岸の沖に見られます。一方、低速度域が九州東岸に沿って見られます。この低速度域は蛇紋岩化したマントルウェッジの存在を示唆しています。プレートの沈み込み方向に沿った断面でも沈み込むプレートでの高速度域やマントルウェッジでの低速度域がみられます。