平成13年7月10日10時00分
雲仙岳測候所発表
火山名:雲仙岳
1 概況
6月の雲仙岳の火山活動は、火山性地震の発生が4回(前月5回)と少なく、落ち着いた状態が続きました。
平成新山の形状には、ほとんど変化は見られませんでしたが、下旬を中心に小規模な落石震動を多く観測しました。これは、溶岩ドームの先端部などの不安定な所からの崩落で、降雨の影響などによるものと思われます。
噴煙も少ない状態で、表面活動にほとんど変化は見られませんでした。
また、温泉観測の結果にも大きな変化は見られませんでした。
7月に入ってからも、火山活動は落ち着いた状態です。
2 震動観測
6月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第1表のとおりです。
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上旬 |
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中旬 |
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下旬 |
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(1) 火山生地震
4月の火山性地震はA点で17回観測しました。これは、橘湾を震源とする比較的深い地震(A型地震)が8回、平成新山の直下を震源とする比較的浅い地震(B型地震)が9回でした。山体に最も近いE点では21回観測しました。有感地震の発生はありませんでした。
5月に入ってからは、9日までに火山性地震は1回観測されています。
(2) 火山性微動
4月は、火山性微動を2回観測しました。これは4月4日、22日にそれぞれ1回観測しました。また、山体に最も近いE点では4回観測しました。
5月に入ってからは、9日までに火山性微動は観測されていません。
(3) 落石震動
6月は、落石震動は16回観測されました。
7月に入ってからは、9日までに落石震動は観測されていません。
3 遠望観測
遠望カメラによる観測
6月の遠望観測による噴煙はすべて白色少量で、噴煙の高さは10~30mの状態で経過しました。なお、6月は天候の状態により、遠望できない日数が13日ありました。
7月に入ってからも、9日までに噴煙量等に特に変化はありません。
4 現地観測
温泉観測
雲仙地獄、小浜温泉の現地観測を6月21日に実施しました。
観測値に前回(4月26日)と比べて大きな変化はありませんでした。
観測結果を第2表に示す。
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5 地形変形観測
傾斜計による観測結果
6月は、傾斜変動は観測されませんでした。
7月に入っても9日までに、傾斜変動は観測されていません。
5 その他
梅雨末期にかけて大雨に伴う土石流、落石等の発生に注意してください。