平成14年2月12日10時00分
雲仙岳測候所発表
火山名:雲仙岳
1 概況
1月の雲仙岳の火山活動は、火山性地震の発生が4回(前月14回)と少なく、火山性微動の発生もなく落ち着いた状態が続きました。
噴煙も少ない状態で表面活動にもほとんど変化は見られませんでした。平成新山の形状には、ほとんど変化は見られませんでした。なお、落石震動は1回観測しました。
2月に入ってからも、火山活動は落ち着いた状態です。
2 震動観測
1月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第1表のとおりです。
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上旬 |
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下旬 |
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(1) 火山生地震
1月の火山性地震はA点で79回観測しました。このうち18日から20日にかけて平成新山の西約5km、深さ約5kmを震源とするA型地震を73回観測しました。
18日20時過ぎから火山性地震の発生が始まり、21時までの1時間に2回観測しました。その後やや発生回数が増加し22時、23時までの1時間では各8回、24時までの1時間では7回観測しました。その後19日9時までは時間別回数1~6回で推移し、9時以降は発生回数が減少し、時間別回数0~2回となり、20日3時以降は観測されなくなりました(第1図)。これらの地震のうち、最大の震幅は14.63マイクロメーターでした。
このほか、平成新山の直下を震源とする比較的浅い地震(B型地震)を6回観測しました。
また、山体に最も近いE点では89回観測しました。
2月に入ってからは、12日までに火山性地震は観測されていません。
(2) 火山性微動
1月は火山性微動は観測されませんでした。
2月に入ってからは、12日までに火山性微動は観測されていません。
(3) 落石震動
1月は落石震動は観測されませんでした。
2月に入ってからは、12日までに落石震動は観測されていません。
3 遠望観測
遠望カメラによる観測
1月の遠望観測による噴煙の最高高度は100mで、噴煙量は依然として少ない状態が続きました。
なお、噴煙はすべて白色、少量でした。2月に入ってからも12日までに、噴煙量等に特に変化はありません。
4 地形変形観測
(1) 傾斜計による観測結果
1月は傾斜変動は観測されませんでした。
2月に入っても12日までに、傾斜変動は観測されていません。
(2) 光波測量観測結果
気象庁と経済産業省産業技術総合研究所地質調査所で行っている光波測量によると、普賢岳山体につけた反射鏡との斜距離は、前回12月21日とほとんど変化はありませんでした。
また、九州大学との共同観測による、平成新山東側に設置している反射鏡(D2)と仁田峠第2展望所観測定点(T6)との斜距離の観測結果は第2図のとおりで、大きな変化は観測されていません。
5 火山情報の発表状況
平成13年1月19日11時30分 火山観測情報第1号発表