平成13年3月12日10時00分
雲仙岳測候所発表
火山名:雲仙岳
1 概況
2月の雲仙岳の火山活動は、前月中旬に火山性地震が一時的に増加しましたが、その後地震の発生は少なく、火山性微動も観測しましたが落ち着いた状態が続きました。
小規模の落石の発生はありましたが、光波測量の結果では平成新山の形状にはほとんど変化は見られませんでした。
噴煙も少ない状態で前月と比べほとんど変化は見られませんでした。
また、温泉観測にも大きな変化は見られませんでした。
3月に入ってからは、火山性地震、火山性微動を観測していますが、火山活動は落ち着いた状態です。
2 震動観測
2月の火山性地震、火山性微動、火砕流と思われる震動波形及び落石震動の発生回数は第1表のとおりです。
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上旬 |
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中旬 |
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下旬 |
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(1) 火山生地震
2月の火山性地震はA点では観測されませんでした。山体に最も近いE点では15回観測しました。有感地震の発生はありませんでした。
3月に入ってからは、11日までに地震はA点で1回観測しています。これは、平成新山の直下を震源とする比較的浅い地震(B型地震)でした。
またE点では、2回観測しています。
(2) 火山性微動
2月は火山性微動を山体に最も近いE点で2回観測しました。
3月に入ってからは、11日までに火山性微動は、A点で2回、E点で3回観測しています。
(3) 落石震動
2月は、落石震動は3回観測されました。
3月に入ってからは、11日までに落石震動は観測されていません。
3 遠望観測
遠望カメラによる観測
2月の遠望観測による噴煙の状態は、すべて白色少量で変化はありませんでした。なお噴煙の最高高度は200mでした。
3月に入ってからも11日までに、噴煙量等に特に変化はありません。
4 現地観測
温泉観測
雲仙地獄、小浜温泉の現地観測を2月24日に実施しました。
前回(12月18日)と比べて噴気、温度(噴気温・水温・地温)、ガス、ph、水位の観測値に大きな変化はありませんでした。
5 地形変形観測
(1) 傾斜計による観測結果
2月は傾斜変動は観測されませんでした。
3月に入っても11日までに、傾斜変動は観測されていません。
(2) 光波測量観測結果
気象庁と経済産業省産業技術総合研究所地質調査所で行っている光波測量によると、普賢岳山体につけた反射鏡との斜距離は、前回1月24日とほとんど変化はありませんでした。